太鼓台1台当たりの新居浜市人口
~新居浜と太鼓祭りのこれからを考えるために~
目的:本格的な人口減少時代を迎えるにあたり、太鼓台1台当たりの人口の変遷をまとめる (はじめに:本調査を終えて、新居浜太鼓祭り全体を現状維持していくことすら難しくなる時代がやってくるという危機感を改めて強く持ちました。 ご覧下さっている皆様にも、お祭りのこれからを是非考えていただきたく思い、当サイトの本旨「宇高太鼓台ファンサイトの運営」とはやや外れた企画となり恐縮ですが、本調査のデータを公開した次第です。) 新居浜市が平成27年12月に策定した「人口ビジョン」に拠れば、新居浜は2002年(H14)から死亡者数が出生者数を上回る自然減の状態が続いており、更に2020年付近から、これまで以上のペースで人口が減少する時代へと突入していきます。 これらの結果として太鼓台1台当たりに費やせるマンパワーは急速に低下しているのではないかと疑問を持ち、今回の調査を行うことにしました。 まず、国勢調査のデータから「太鼓台1台当たりの人口」の1955年~2015年における変遷をまとめました。そして、速報値として2017年6月での住民基本台帳人口をもとに、速報値として地区別の太鼓台1台当たりの人口をまとめました。 |
結果:太鼓台1台当たりの人口は30年間で45%減少 昭和最後の新設(復活新調)があった1985年(S60)には太鼓台1台当たりの新居浜市人口は約4130人/台でした。 そこから平成の太鼓台新設ラッシュと10%の人口減を経て、2015年(H27)には太鼓台1台当たりの新居浜市人口は約2260人/台へと急速に減少しています。これは1985年比で約45.3%の減少、おおよそ半減です。その推移の様子は下図の通りです。 また、2017年現在、地区別の太鼓台1台当たりの人口は次の通りです。 |
感想:急減ぶりに驚き かなり減っているだろうなあとぼんやりと予想してから取り組んだ調査でしたが、あまりの急減ぶりにとても驚いています。また、新居浜で暮らしてきた中で、各地区のかき夫集めの様子などなどから「人口はまだそんなに減っていないはずなのに…」と感じてはいましたが、その根本にあるものが少し可視化できたかなと思っています。 今回は詳細の掲載を見送りましたが、歴史全体を見ると、つい2,3世代前において(戦前戦後にかけて)多くの太鼓台が様々な理由で運行を休止しています。こちらについては現在調査中のためはっきりとした数字はご提示できませんが、少なくとも十数台に上るはずです。昭和後期から平成にかけてそれらのうちの一部の太鼓台が復活新調を遂げることが出来たというのが現状です。そして、休止したまま復活を遂げていない太鼓台も多くあります。 これまでの歴史を踏まえれば、太鼓台1台当たりの人的資源がこれだけ減少した今、再びそういった台数減少の流れに入ってしまっている可能性も否定できないと思います。本調査を終えて、太鼓祭り全体を現状維持していくことすら難しくなる時代がやってくるという危機感を改めて強く持ちました。 ご覧下さっている皆様にも、太鼓祭りのこれからを是非考えていただきたく思い、当サイトの本旨「宇高太鼓台ファンサイトの運営」とはやや外れた企画となり恐縮ですが、本調査のデータを公開した次第です。 |
補足:基礎データ2 新居浜太鼓台1台当たりの人口の変遷 ※概説: ・1980年ごろまで ゆるやかな人口増加と太鼓台の台数減少によって、1台当たりの人口は増加。 ・1990年代中盤から2010年ごろにかけて 緩やかな人口減少と太鼓台の急増によって、1台当たりの人口は急減。 |
調査資料: 1:国勢調査 2:新居浜市発表の住民基本台帳人口データ 3:新居浜市立図書館刊 『新居浜太鼓台』 |